過払い金は、クレジットカードのキャッシングや、金融機関からの借り入れの返済をする時に、元金につく利息を払いすぎてしまった場合に発生するお金のことです。
利息制限法で定められた上限以上の金利を設定されたために起こった事態です。
2006年に改正の予告がされ、2010年に正式に貸金業法が改正され、法定金利より高い金利をつけると重い罰則がくだり、借り入れ自体も無効となる決まりができたため、大手のクレジットカードや金融機関では、2006年から2007年の間に上限金利の見直しをし、それ以外の金融機関でも改正前に設定し直しました。
ですから、ほとんどのキャッシングやローンについては、遅くても2007年以前に契約をした借り入れまでが、利息を払い過ぎている可能性があると考えられます。

過払い金が発生しているのか調べる場合は、利息引き直し計算をして、比較するといいでしょう。
実際に支払った金額と、借りた元金部分に法定利息の上限を乗じて計算した正規の支払額を見比べて、支払額が大幅に大きいなら発生している可能性が高くなります。
複数回借り入れをしている場合は、個々に計算する必要がありますので、気をつけましょう。
自分で計算することも可能ですが、複雑な計算になることもあり、過払い金を確実に返還請求するならば、専門家の手を借りた方がいい場合があります。

過払い金請求を行うメリットは、債務整理を行う際に債務を大きく圧縮できることです。
個人再生では住宅ローン以外の借金の元金が5分の1まで軽減されたり、自己破産ではすべての借金が棒引きされ返済する義務がなくなりますが、私的な和解交渉による任意整理では、元金部分を減額することができません。
元金部分を減額する代わりに、相手の金融機関と交渉して、過払い分がある場合には返還請求をして、債務整理をする時点での借入残高と相殺してもらい、将来発生するであろう利息額を帳消しにしてもらうことで、債務額の圧縮ができることがあるのです。

また、すでに返済し終わっている方でも、完済した日から10年以内であれば時効は来ていませんので、過払い金返還請求が行えます。
すでに支払っていれば債務整理扱いになりませんので、信用情報機関に記載される心配もありません。
ただし、クレジットカードのキャッシング利用分を請求する場合には、注意点があります。
ショッピング利用残高があると、利用している間に債務整理をしたとみなされ、信用情報機関にマイナス情報として記載されますので、何も利用していない状態で手続きを行うことをおすすめします。