その昔、まだ出資法と利息制限法の二つの上限金利が存在していた時代には、グレーゾーン金利という実に曖昧な金利がまかり通っていました。
もしもその時代に貸金業者からお金を借りていたなら、過払い金が発生している可能性があります。
もし本当に発生していたなら、それは正式な請求手続きを行うことで取り戻せます。

ただし、そんな過払い金請求にも幾つか問題はあります。
まずは自力で手続きを行うのは、法律の素人には少しばかり荷が重いということです。
たとえば引き直し計算一つ取ってみても、苦手な人にはハードルが高いことでしょう。
それに相手との交渉も大変です。
何しろ素人の自分に対して相手は海千山千のプロの貸金業者ですから、素直にお金を返してくれるとは限りません。
また、返してくれたとしても本来より少ない金額である可能性もあります。

それに過払い金返還請求の交渉がこじれたら、最悪の場合、訴訟沙汰になってしまう可能性もあります。
そうなると益々、素人には手に負えなくなってしまうかもしれません。
そうした点を考慮すると、自分で手続きを行ったり貸金業者と交渉する自信の無い人は、最初から弁護士や司法書士などの法律の専門家に依頼しておくべきだと言えるでしょう。
確かに専門家に依頼するとなると費用が掛かります。
しかし、背に腹は代えられないでしょう。

また、過払い金請求には時効があります。
そのタイムリミットは、最後に取り引きをしてから10年です。
ですからリミットが迫ってきているようなら、尚更、専門家に依頼したほうがスピーディーに手続きが進むのでメリットは大きくなると考えられます。
とにかく過払い金請求は、自分で行うことばかりにこだわっていてはいけないでしょう。

また、気を付けなければならないことは貸金業者の倒産です。
もしも借り入れ先の業者が倒産してしまったら、その時にはお金を取り戻せなくなってしまいます。
たとえ最初から弁護士や司法書士に依頼していたとしても、貸金業者が倒産してしまっていたら、事実上、お手上げ状態となってしまう可能性は高いでしょう。

このように過払い金返還請求には、訴訟沙汰になってしまうリスク、時効が成立してしまうリスク、貸金業者が倒産してしまうリスクなどがあります。
それらのリスクのことを考えると、やはり専門家に速やかに相談して、とにかく急いで手続きを進めることが肝心だと言えるでしょう。
特に古い借金であればあるほど、時間との戦いになってくる場合もあります。