近年ではCMや広告等で、過払い金の返還請求の手続きについての注意喚起が多くなっています。
対象となるのは、消費者金融や信販会社からの借入だけでなく、クレジットカードのキャッシングも含まれます。
ショッピングについては、貸金業法で決められた借入ではありませんので、対象外となります。
ショッピング利用には、利息がかかるのではなく、分割やリボ払いの手数料がかかるので注意してください。

借入やクレジットカードのキャッシングが過払い金の対象になるかどうかは、キャッシングをした年や、完済後からの年数、金利の数値が問題となります。
まず完済後からの年数の問題についてですが、現在も返済を続けている場合には、いつでも請求が行えます。
ただ、完済後10年経つと時効が到来しますので、過払い金請求は無効となってしまいます。

キャッシングをした年については、2006年~2007年に辺りまでがポイントとなり、それ以降にクレジットカードや借入の契約をした場合は、過払い金請求の対象外となることがほとんどでしょう。

貸金業が改正され、過払い金の請求の権利が認められたのは、貸金業者の貸付金利が、利息制限法を上回っているのが違法だとして、消費者の側から提訴されましたことがきっかけとなります。
判決は最高裁判所までもつれ込み、最終的には、貸金業者の敗訴が決定して、払いすぎた利息を借り主に返すようにという判決が下されました。
それを受けて、2006年に政府から、金利を守らない業者には、厳しい罰則を適用するために、貸金業法を改正すると公式発表がありました。
2010年に法改正が行われるのですが、2006年~2007年にかけて、多くの消費者金融やクレジットカード会社では上限金利を利息制限法の範囲内に改めたので、中小の業者でない限り、対象とならないことがほとんどなのです。

利息制限法の上限金利については、借金の元金の額によって違います。
借りた元金が10万円に満たない場合は、年20%となります。
10万円~100万円未満であれば年18%、100万円以上であれば年15%になります。
該当する元金で、金利の額が超えている場合は、過払い金請求の対象となります。

それ以外に気をつけなくてはいけないのが、クレジットカードのキャッシングの過払い金請求で、ショッピング利用額の残高がある場合に手続きを行うと債務整理扱いとなり、借入やクレジットカードの新規申し込みや、更新審査が通らなくなる可能性があります。
手続きを希望するなら、ショッピング利用の分を全額返済してからにするといいでしょう。

また、過払い金返還請求の相手先の金融機関が倒産している場合は、回収が難しくなることもありますし、相手先の経営状態によっては、充分な金額が返還されないこともあります。
社名変更をしている場合は、引き継いだ金融機関が対処可能な場合もあります。
難しい場合は、弁護士や司法書士に相談するのをお勧めします。